パリの遊園地博物館 MUSÉE DES ARTS FORAINS

 

カテゴリー:パリのユニークな博物館

住所:53 Avenue des terroirs de France, 75012 Paris

メトロ最寄駅:14番線 Cour St-Émilion駅

営業時間: (夏期シーズンは毎日営業)

ツアー所要時間:1時間30分 

ツアー催行時間: 11時/ 14時30分

※こちらの美術館は、ガイドツアーへの事前予約が必要となります。

 

2016年12月26日からは事前予約不要で10:00から18:00まで営業。

ガイドツアーなし/公演は30分毎

一部のメリーゴーランドや乗り物がご体験頂けます。 

料金:大人 16€、子供 4-11歳 8€

 

 

L'âged'or 黄金時代

映画「ミッドナイト・イン・パリ」の主人公ジルは真夜中を知らせる鐘の音が鳴ると、プジョーに乗ってパリの1920年代のパリに時間旅行をします。1920年代のパリは「グレート・ギャツビー」の作者スコット・フィッツジェラルド、画家のマティス、ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ、マンレイ、トゥールーズ ・ロートレックのような名だたる芸術家や文化人が集い夜な夜な芸術談義に花を咲かせた芸術の黄金時代。主人公のジルが当時にタイムスリップする姿を見ていると、ふとパリの黄金期を垣間見たい思いに駆られてきました。

 

 

今回私たちは、パリ12区のBercy地区へと向かいました。Bercy地区と言えば、シネマテックフランセーズやフランソワミッテラン図書館のようなモダンな建築の文化空間が豊富なエリア。ベルシー地区にありながら、ノスタルジーな雰囲気のLes Pavillons de Bercyへ到着すると、一気にミッドナイトインパリの主人公のような気分に。元々は19世紀のワインセラーだった場所を昔の遊園地の遊具を展示する遊園地博物館として利用しているそうです。一歩中へと足を踏み入れると、パリのアパートのような建物の中に大きな庭が広がっています。

 


 

Dreamland in Paris まさにパリに表れた夢の世界

ツアーガイドの説明に沿って、暗い建物の中へ入ると、真っ先に宙を飛ぶ像に目を奪われました。映画「バロンの大冒険」、「80日間の世界一周」のようにファンタジーの世界へと一気に引き込まれます。ちなみにこの像、なんと1931年に開催されたパリ万国博覧会時にインド館に展示されていたのだそう。恐らく当時のヨーロピアンにとっては、ファンタジーの世界でもあったインドへの旅を夢見ていたのかもしれません。

  

 

オブジェやアクセサリーで壁一面飾られた館内。ヨーロッパを巡りあちこちで乗り物や芸術品などを集めていたフランス人の骨董品コレクターのJean Paul Favand(ジャンポールファヴァン)氏が自身のコレクションを寄贈して作りあげたこの博物館。オープンしてからまだ40年ほどとそれほど古くはないもののノスタルジックな雰囲気に包まれています。

 

 

こちらは19世紀後半にベルギーで作られた二輪車カルーセル(bicycle carousel)。二輪車の部分はイギリスで造られ、音楽を奏でるオルガンはイタリアで造られ、フランスで塗装を上塗りしたものだそう。ヨーロッパ連合ができる以前からヨーロッパ間ではコラボレーションが行なわれていたことが実感できます。取材に伺ったのは、ちょうどイギリスのEU脱退"Brexit"のが決定される直前だったこともあり、ツアーガイドの方は「この二輪車カルーセルはヨーロッパの統合を象徴するものでしたが、もしもBrexitが確定すると、この説明が使えなくなります。」と冗談交じりに続けました。

ちなみに、俳優の大沢たかおさんも日本のテレビ番組おしゃれイズムでパリを訪れた際、こちらの美術館を訪れ、この二輪車カルーセルを楽しまれていました。

 

面白いことに、フランス、ドイツ、ベルギー式の回転木馬は頭の部分が右を向いているのに対し、イギリス式のカルーセルは左を向いており、他のヨーロッパ諸国と異なっているそう。骨董品コレクターであったJean Paul Favand。まるで舞台監督かのように演出した19世紀後半から20世紀初頭のヴェネツィア、中国、パリのムーランルージュへと多岐に渉る独特の世界観に館内は包まれています。

  

 

 

ボードゲームのような投球やカルーセル、サイクリングのような乗り物は、実際に体験することができます。

また、イタリアの仮面を着用しオペラを歌う人形の公演も鑑賞頂けます。

 


 

最初は子供たちが走り回ってはしゃぐ姿が目立っていましたが、次第にご年配の男女が子供時代を懐かしむかのように楽しむ姿が印象的でした。私達と同じツアーの回に参加された一人の初老の紳士は、博物館のあちこちを写真でおさめるのに夢中になったり、回転木馬に乗っては子供のように喜んでいました。夢を見ること、また夢を体現することには年齢が関係がないように感じました。 

 

 

老若男女誰もが楽しむことができる、パリ遊園地博物館。私たちは夢見心地で、ヨーロッパの黄金期1920年代のような空間を歩き回りました。子供連れの方はもちろん、ノスタルジーな雰囲気に浸りたい人なら旅の訪問リストに追加してみてはいかがでしょうか?

 

O'BON PARIS' NOTE

12歳以下の子供は、乗り物に乗る際は必ず保護者の同乗が必要となります。

博物館への入場はオンラインでの事前予約が必要です。

また、各ツアーの指定された集合時間を守っての到着が必要です。

ツアーの予約は、美術館のオフィシャルページよりご予約頂けます。

パリ遊園地博物館 ウェブサイト

 

 

 

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