GIVERNY:ジヴェルニー、モネの庭園

 

GIVERNY

ノルマンディー地域圏の南部に位置する街、ジヴェルニー(Giverny)。人口500人余りの小さな街ですが、印象派の父クロード・モネ(Claude Monet)の終の棲家、そして庭園があり、毎年世界中から多くの旅行者が訪れています。

 

最愛の妻カミーユ(Camille Doncieux)の死、そして最大のパトロンであったエルネスト・オシュデ(Ernest Hoschedé)の破産と、立て続けに不幸に見舞われたモネ。自身の子どもたち、そして彼らの面倒をみてくれていたオシュデの妻アリス(Alice Hoschedé)とその子どもたちのために、困窮から一刻も早く抜け出すことを必要としていました。生活を立て直すための場所、家族でずっと暮らせる場所を探していた彼は、偶然電車で通った美しい街、ジヴェルニーに心を惹かれ、ここに定住して制作活動を続けていくことを決めます。

 

パリからジヴェルニーへの行き方

パリ、サンラザール駅(Gare de Paris-Saint-Lazare)からRouen/Le Havre行きのTERもしくはIntercitésに乗り、ヴェルノン駅(Gare de Vernon-Giverny)で下車。乗車時間は45分程度。電車の検索・予約はこちら
ヴェルノン駅からジヴェルニー行きのシャトルバスに乗って、およそ15分で到着します。バスの時刻表はこちら

電車運賃:往復30ユーロ前後
ジヴェルニー行きシャトルバス運賃:往復大人10ユーロ

 

 

ジヴェルニーの街は小さいので、30分ほど歩けばほとんどの主要な場所を見て回れるほどの大きさ。早速モネの庭へ向かってみましょう。

 

 

FONDATION CLAUDE MONET クロード・モネ財団

1980年からクロード・モネ財団によって一般公開されるようになったモネの家と庭園。公開時期は毎年3月下旬頃から11月上旬で、花が咲かない冬の間は閉園しています。
開園時期は毎年多少前後するので、こちらをご確認ください。なお、入場にあたっては、平日は約20分、週末には約40分の待ち時間が予想されます。

営業時間 : 毎日 9:30-18:00 (最終入場は17:30)
入場料 : 大人9.5ユーロ / 26歳未満の学生5.5ユーロ

 

 

JARDIN DE MONET モネの庭

ジヴェルニーに家を借りたモネは、家の前のフェンスを取り払い、庭師のアドバイスを頼りに花や植物を植え、庭作りを始めました。

 

この家に住み始めた当時、まだモネの生活は貧しいものでした。しかし、1980年代後半にニューヨークで印象派の展示会が開かれた頃から徐々に評価が高まり、絵が売れ始めます。これにより生活の安定を手にしたモネは、庭師、家政婦、使用人などを雇って、庭をさらに大きく育てていきました。

 

牧歌的な風景が広がる美しい庭園。有名ですが、池の中央には日本文化に心酔していたモネによって造られた日本式の太鼓橋を見ることができます。彼が愛情を注いで造りあげたこの庭園では、数多くの名作が生まれました。その代表作である「睡蓮」は現在、パリのオランジュリー美術館に展示されています。

 

 

こちらがオランジュリー美術館にて撮影したモネの「睡蓮」。上の写真の庭園と見比べてみると、当時の庭園の姿が今も変わらずに保存されているということが改めてわかりますね。

 

名声を得て、裕福になったモネですが、晩年は必ずしも安楽なものではありませんでした。二人目の妻となったアリスの死や白内障による視力の低下は彼を大きく苦しめ、一時モネは絵画の製作を諦めかけます。しかし、1914年から再び蓮の花を題とした連作を再開。3回に及ぶ白内障手術を乗り越えて、オランジュリー美術館に展示されている大作を完成させたのです。

 

MAISON DE MONET モネの家

こちらがモネが数々の名作を生んだ終の棲家。2階建ての住居内には約10の部屋があり、当時の暮らしをそのまま再現しています。また、モネや彼の友人たちの作品、そして彼のコレクションもここに展示されています。家の中へ一歩入ると、まず目に入るのがジャポニスムの作品。1854年の開国に伴なって浮世絵をはじめとする日本文化がヨーロッパに流入したことにより、日本ブームが起きて、印象派画家たちの作品にも大きな影響を与えました。庭の太鼓橋もそうですが、改めてモネの日本に対する関心の大きさがうかがえます。

 

モネの家の中で最も大きなこちらの部屋は、壁一面が絵画で満たされています。飾られている絵画の中には、セザンヌ、ルノワール、シニャック、カイユボットらによる作品もあるのだそう。部屋のあちこちで見られる美しい調度品は、彼が成功した芸術家であることを物語っています。

 

暖かな印象のこの2階の部屋でモネは最期の時を迎えました。ベッッドから見える窓の外には、豊かに茂る木々や色鮮やかな花々が美しく、やさしい花の香りが漂ってきました。

 

 

ギフトショップ

家の入り口にあるギフトショップは、生前モネがアトリエとして使用していた空間なのだそう。モネに関する書籍やアクセサリー、ポストカードなどを見つけることができます。

 

O'BON PARIS' NOTE

ここクロード・モネ財団の周辺には、ジヴェルニー印象派美術館(Musée des Impressionnismes Giverny)や、モネの眠るお墓がある教会(Église Sainte-Radegonde de Giverny)もありますので、併せて訪れてみてくださいね。