MONT SAINT-MICHEL : 海に浮かぶ修道院

 

MONT SAINT-MICHEL

「西洋の驚異」として知られるモン・サン・ミッシェル。ノルマンディーの海に浮かぶように佇む美しく神秘的なこの島は、世界中の人々を引き付けてやみません。今回は、そんなモン・サン・ミッシェルの魅力を一緒にご覧いただきたいと思います。

 

パリからモン・サン・ミッシェルへの行き方

モンパルナス駅(Gare Montparnasse)からTGVでRennes駅、もしくはDol-de-Bretagne駅まで行き、そこからバスにてモン・サン・ミッシェルまで。また、モンパルナス駅からTERでVilledieu-les-Poêles駅まで行き、そこからバスに乗ることもできます。乗り換えの駅によってかかる時間も異なり、およそ3時間から4時間弱。Rennes駅・Dol-de-Bretagne駅・Villedieu-les-Poêles駅の順に所要時間は長くなります。ただし、所要時間が長くなるにつれてかかる料金も安くなっています。フランス国鉄のサイトよりチケットの検索・予約が可能。行先にMont Saint Michelと入力すると、バスの利用を含めた複数の選択肢を提案してくれます。

また、FlixbusOuibusからはモン・サン・ミッシェルまでの直通バスが出ています。それぞれ5時間半、4時間半かかりますが、より安い値段で旅行することが可能です。

 

夢の中で大天使ミカエルからのお告げを受けたオベール司教が708年に建てた修道院、モン・サン・ミッシェル。それまで、この岩山はモン・トンブ(Mont-Tombe)と呼ばれていましたが、この修道院の建設により、「聖ミカエルの山」という意味のモン・サン・ミッシェルと呼ばれるようになりました。
モン・サン・ミッシェルの島は、中央にある修道院とその周辺の小さな街で構成されており、海岸から島までは、巡礼者のアクセスを容易にするための橋が架かっています。

 

島への行き方

1) 徒歩:堤防の開始点から島まで歩いておよそ35分。

2) 無料シャトルバス:le Passeurという無料シャトルバスが運行しており、島までおよそ12分。駐車場、あるいはホテルが集まっている堤防の開始点から5〜10分ごとに無料運行。

3) 自転車:対岸のホテルに宿泊している場合、ホテルによっては自転車を貸出しているところもあるので、自転車で橋を渡っていくという手段もあります。ただし、島内へは自転車を持って入れないため、島へ着いたら自転車はスタンドへ。

駐車場から島までのアクセス地図はこちら

 

ABBAYE DU MONT SAINT MICHEL モン・サン・ミッシェル修道院

島の中心であるこちらの修道院。多くのキリスト教徒たちの巡礼の目的地でしたが、百年戦争の際には要塞として、フランス革命時には反体制派を閉じ込める監獄として使用されていました。ナポレオン3世が監獄を1863年に閉鎖し、1874年に修道院は歴史的記念物に登録されます。それから、革命の混乱によって荒廃した修道院の修復作業が開始され、今の姿を取り戻すに至りました。増築・修復が繰り返されてきたことにより、ロマネスク様式やゴシック様式、ルネサンス様式などの複数の建築様式を見ることができ、156メートルの高さに達する塔の頂上には金の大天使ミカエル像が設置されています。

 

住所 : 50170 Le Mont-Saint-Michel

開放時間 : 5月2日-8月31日 9:00-19:00 / 9月1日-4月30日 9:30-18:00 (1月1日, 5月1日, 12月25日は閉館)

入場料 : 一般 10€ / 18-25歳 8€ / 18歳未満 無料 (団体での訪問の場合は除く)

 

こじんまりとした島の内部には、狭い道に沿ってお土産ショップやレストラン、カフェなどが並んでいて、賑やかな雰囲気で満ちています。色とりどりの店頭を眺めながら石畳の道を歩くと、なんだかお祭りにきたような気分。


メインストリートであるグランド・リュ(Grande Rue)の人混みに疲れてしまったら、島を囲む壁に沿って歩くのがおすすめ。狭い階段を上がっていくと、涼しく開けた風景が広がります。この道沿いにもカフェやレストランがあるので、食事を楽しむこともできますよ。

 

LA MÈRE POULARD ラ・メール・プラール

モン・サン・ミッシェルと言ったら修道院の次にこちらを思い浮かべる人も多いのでは?というほど有名なのがレストラン、ラ・メール・プラール(La Mère Poulard)。ホテルに付属しているレストランで、ヘミングウェイやイヴサンローランなど、数々の著名人が訪れた場所としても知られています。有名人のサインでレストランの壁一面はぎっしり。

 

かつては急な満ち潮のために巡礼者が島で立ち往生してしまうことが常でした。そんな巡礼者たちをもてなすためにアネット・プラールが作っていたのがこちらのふわふわのオムレツなのだそう。こうしてはじまったメール・プラールのレストランは今では世界中で有名となり、日本をはじめ、台湾、韓国、フィリピンにも支店を構えています。

 

住所 : Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel

営業時間 : 7:00-21:30

 

ÉGLISE SAINT-PIERRE サン・ピエール教会

修道院に向かう途中に位置するサン・ピエール教会。入口にはジャンヌ・ダルクの像、内部にはオベール司教の夢の内容が記録されたステンドグラスがあります。柔らかい光の差し込む美しいステンドグラスが厳かな雰囲気を醸し出しています。裏口は、メール・プラールを含め、モン・サン・ミッシェルの住民たちが眠る墓地に通じています。

 

住所 : Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel

開放時間 : 9:00-22:00

 

広く知られているとおり、1979年にはユネスコの世界文化遺産に登録されたモン・サン・ミッシェル。その付近には、100種以上の鳥をはじめ、イルカやアザラシも生息する豊かな自然をたたえており、特別保護区域に指定されている場所もあります。また、島からそう遠くないところでは、たくさんの羊の群れを見ることもできますよ。

 

O'BON PARIS' NOTE

大潮の時期には海面が15mも上昇することがあるモン・サン・ミッシェル。観光の予定に影響を及ぼす可能性もあるので、訪れる前には必ず潮の干満時刻をチェックしてくださいね。また、夜になると島がライトアップされて夜景を楽しむことができるので、モン・サン・ミッシェルを訪れる際、とりわけ日が長い夏の時期には、一泊して観光することをおすすめします。夢のような美しい景色を見ることができますよ。

 


文、写真 : Yuna Lee

訳 : Rei Nishiyama



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